季節の変わりめになると風邪症状や鼻炎症状が出てきます。テレビなどではこのような症状を寒暖差アレルギーと言っているようです。アレルギーという言葉が含まれていますが、厳密にいうとアレルギーではありません。本来のアレルギーは特定のアレルゲンに体が過剰に反応してしまう抗原抗体反応を指しますが、寒暖差アレルギーには抗原が存在しません。正確には血管運動性鼻炎と呼ばれるようですが、要するに気温の変化に血管の伸縮が対応できずに起こる症状ということです。漢方の世界でも昔から「冷えると鼻水や鼻づまりが起こる」と考えていて、冷えが原因の症状なので温めて治しましょうという単純な話になります。冬になると流れて止まらない鼻水が出るという場合も冷えによるものと考えます。漢方薬で温めると改善する症状ですのでお困りの場合は相談ください。
健康食品に「酵素」と呼ばれるものがあります。本来、酵素とは生体に存在するタンパク質の触媒(化学反応を助けるもの)を指します。タンパク質だから飲んだり食べたりすれば消化されるじゃないか!と健康食品会社の営業さんに言ったら、酵素とは発酵食品の意味ですとあっさり返されました。おいおい、それって定義が変わってるじゃないかとツッコミを入れたわけですが、アレルギーにしろ酵素にしろ言葉の定義を勝手に変えないで欲しいと思います。意思の疎通が出来なくなると思うのです。
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